羽毛布団の通気性について
羽毛布団の通気性について考えたことはありますか?
羽毛布団を選ぶ際には、どのような鳥のダウンボールが使われているかに注目しがちですね。
しかし、羽毛布団の側生地にも注目しないと失敗する可能性があります。
それは、側生地の通気性によって寝心地や羽毛布団の耐久性が変わってくるためです。
今回は、羽毛布団の通気性についてお伝えします。
羽毛布団の通気性の大切さとその理由について
羽毛布団を選ぶ際、通気性はとても大切な要素となります。
まず、多くの方が「布団は乾燥しているほうが望ましい」と、お考えではありませんか?
ところが、気持ちよく眠るためには布団の中の湿度が50%程度がよいとされます。
人は不感蒸泄といって、常に見えない汗をかいています。
羽毛布団の側生地の通気性が高い場合、人が布団に入ってから短い時間で羽毛布団の中の湿度をあげることが出ます。
しかし、通気性が高いということは、繊維と繊維の隙間が大きいということです。
単に繊維の隙間が大きい生地は、細かな毛が飛び出してしまうので羽毛布団には不向きです。
羽毛布団の毛が飛び出さないような繊維の隙間が狭い織物を、「高密度織物」といいます。
綿や絹といった天然素材の側生地は通気性がよいのですが、高密度織物にすると重くなるという欠点があります。
ポリエステルやナイロンなどの合成繊維の高密度織物は、薄くて軽く出来ますが通気性は格段に悪くなります。
通気性が悪いと羽毛布団の中の湿度が上がる前に、自分の皮膚や肌着の湿度が上がり不快な状態になってしまいます。
また、側生地の通気性が悪いと羽毛布団の中に湿気が残りやすいので、ダウンボールが劣化しやすいという欠点があります。
通気性の良い羽毛布団を選ぶためのポイント
快適に眠るためには、人の不感蒸泄や温度に合わせて呼吸してくれるような天然素材の側生地が、通気性がよく羽毛布団に最適といえるでしょう。
通気性が良い羽毛布団の側生地
(1)絹(シルク)
絹は柔らかく肌触りがよいので、羽毛布団の側生地に適しています。
しかし、摩耗が早く耐久性が劣るという欠点があります。
(2)綿(コットン)
繊維を作る技術や加工技術の発展で、綿の側生地でも軽い羽毛布団が作れるようになって来ました。
綿100%の平織の側生地は、固めで肌ざわりが悪く感じる場合もあります。
綿100%でも綾織(ツイル)や朱子織(サテン)は、柔らかく肌触りが良くなります。
耐久性では、平織の側生地が1番です。
羽毛布団は、通気性の良い側生地があってこそ暖かく快適に眠れます。
羽毛布団の側生地は、高価であればよいという事ではなく、肌触り・耐久性を考慮して自分に合ったものを選びましょう。